アパレル店長が経験したクレームの実態!こんな時どう切り抜けるか書いてみた

アパレルを10年以上もやっていると、ましてや百貨店で働いていると、クレームのひとつやふたつ、また大きなクレームも経験します。

心が折れそうになりますが、存在を消していたくても「店長を出せ!」という一声で、クレームのど真ん中へ引きづり出されます。

覚悟を決めて、とことこんお客様の不満をお聞きしましょう。

アパレル時代に起こったクレームと、その時どうやって切り抜けてきたのか、経験した事を書いてみます。

目次

どんなクレームが発生するのか

  • 一番多いのが、買った商品の裾がすこしほつれていたというような商品不良のクレーム
  • 家に帰って着てみたらサイズが合わない、思ってたのと違うクレーム
  • わけのわからないクレーム

この辺りのクレームが多いのではないかなと思います。

クレームのパターン別の対処方法

クレームごとにどう対処すればよいのかパターンの一つとして覚えておくと、いざという時に、慌てなくてすみますので、参考にしていただけたらと思います。

商品不良クレーム

お買いげ頂いた商品を家に帰って開けてみたら、裾のほつれがあった、一カ所色あせがあったなど、家に帰ってから気付く商品不良は、あってはいけないのですが、まれにあります。

私も10年以上やっていて数回は経験があります。
最初は、ちょっと勢いよくご立腹になられますが、話をちゃんと聞いて、新しい商品をご用意できれば、大体の方はご納得いただけました。

最大のポイントは、ちゃんと目を見て丁寧に謝る事ですね。

お客様が来店されたら、話をしっかりお聞きして謝罪が終わったあと、

  1. とにかく他店にあるかすぐに他店に在庫確認(直接店頭へいらした場合)
  2. すぐに新しい商品とお取り替え
  3. お客様とご一緒に細かにチェック
  4. ご納得頂けたら、手早く丁寧にお包み

出来る事をすべて駆使して、何としてでもお客様へ商品をご用意する姿勢が大事です。

私の場合は、その後、お客様(顧客様に限る)とお茶へ出かけて、謝りつつ楽しい気持ちになってお帰り頂くようにしてました。

これは店長だからできるアフターフォローだと思います。

思ってたのと違うクレーム

ショップの照明は、お肌をキレイに見えるようなものを使用していますし、ミラーは全身が少し細く見えるようなものを使用しています。

よく冗談で「これ細く見える鏡つかってるんでしょう〜」とおっしゃるお客様がいらっしゃいますが、本当に使っています!
でも店員は「そんなに言う程細く見える鏡でもないですよ」と言いますので、ここはそう思っていてください(笑)

ご来店された方全ての方が、よりキレイに見えるのがショップなんですよ。

そうやって、イメージを掴んでいただく為でもありますし、売上に関わってきますので、照明は割といい物を使っています。

だから、まれに家に帰って着てみたら、色が思ってたのと違う、サイズが何か合わないという風に思える方もいらっしゃるんですね。

その場合は、店内の照明が比較的明るいところで、色をご確認頂くんですが、太陽光とは行かないので、何度か百貨店の外に商品ごと持って出て色の確認をして頂いた事がありました。
さすがにそこまですれば納得していただけました!

サイズが合わない気がするという方は、わりと着方とかが少し間違っているような事が多いです。

  1. もう一度ご試着頂き、サイズのご説明
  2. 店長も一緒にサイズについて確認させて頂く
  3. 本当にサイズが合っていなければ、合うサイズに交換
  4. 再度、着方やアレンジのご提案をする

もし本当にサイズが合わない物を勧めていたとしたら、(それがスタッフだったら)
これは自分の教育が行き届いていない証拠なので、自分で猛反省です!

そうでない場合は、とにかく、いろんな着方のご提案や、沢山お話をして、楽しい気持ちになって頂く事に尽力します。(激怒されている時は、明るくではなく神妙に声はトーンを押さえつつお話する方がベター)

丁寧にご対応すれば、ほとんどの方にご納得頂けました。

わけのわからないクレーム

あるお客様なんですが、にこやかにお買い物して帰られたはずなのに、しかも週4回くらいは、お店に顔を出してお話だけして帰られたり、散々試着しまくって、脱ぎ捨てられたスカートは裏返ったままその場に放置して行くような方なんですが・・・

ある日、またいつものようにお話に来て下さったのかと思ってお声をかけたらところ、

「これ返品してくれる?会社に着ていったら同じセーター着てる人がいて、同じ物は着たくないの」

と声は普通のトーンですが、無言の圧が漂っていて身構えしまいました。

冷静に聞いていると、結局はお客様都合なんですよ。

  1. 会社に着ていったとおっしゃっている
  2. 返品理由は完全にお客様都合

基本、一度袖を通されて使用された商品は、返品交換お断りしています。

百貨店もそう謳ってはいますが、最近はお客様の言うなりに返品に何でもかんでも応じてしまう所が増えて困りますね。

そうゆう人が後を絶たなくなるので、ここは断固として返品お断りしてもらいたいところなんですが(^^;)

わりとお話は乗ってくださるんですが、どんな事があっても、返品するまで帰りませんというオーラが感じられるので、わけがわからないクレームは、どこで折り合いがつくのか、戦いなんですよ(笑)

一度受けてしまうと、絶対に次も同じ様な事になり得ますので、ここは頑張って、こちらの不備ではないという事と、同じ服を着てる人にばったり出会う確立は、絶対ないとは言えないという事を、時々雑談を交えながら、お話をし続けた結果、とうとう、じゃあプライベートで着るわと仰って下さいました。
こちらに落ち度がない時には、凛とした対応も必要だと思いましたね。

1日の仕事をやりきったくらいのエネルギーです(笑)

このお客様は、それからもいつもと変わらず、仕事帰りにお話だけに立ち寄ったり、気になる物を見つけたら試着して行かれます。

どんな事が起こるか予測不可能、とにかく落ち着いて話をじっくり聞くと、その方の本音の部分が見えて来ますので、その本音の部分をうまく解決して上げられるといいですよね。

手をぬかず、見下さず、面倒臭がらず、ちゃんと話を聞いて差し上げる事がとっても大事です。

クレームを超えて、お店のファンになってもらえたら最高ですね!

今世紀最大のクレーム

今だかつてこのクレームほどのインパクトあるクレームを私は経験しました。
これをお読みの皆様には、遭遇しない事を願います!!

突然豹変するお客様

沢山お買い物をされたようで、両手にショップバックを下げて、当店へ入ってこられました。

外商のお客様かな?というようなお金持ちの奥様の雰囲気が漂っているので、お声をかけました。

「ちょっと手が一杯なので下まで一緒に荷物もって降りてくれない?」と言われたので、快くお引き受けして、エスカレータでご案内をしました。

すると、ちょっと椅子に腰掛けたいとおっしゃるので、ベンチがある場所へご案内しました。

ここから、この女性が普通でない事が明らかになってきたのです。

「ちょっとここに電話して今日1名宿泊するからと予約入れてくれる」とあるホテルの電話番号を手渡されました。

お名前をお伺いすると、○○○子様ということです。

私は近くにあった事務所の電話を借りて、宿泊予約の電話を○○○子でとかけました。

残念ながらその日は満室で予約が取れなかったため、お客様にその旨を伝えました。

すると気が狂ったように大声で高笑いを始め、○○○子って言ったの?といいだしはじめたんですが、よくよく考えてみると、俳優さんのお名前をもじっていただけなのですね。

これは異常だと気付いて、とにかくご気分が悪いようでしたら、事務所でお休みいただけますのでご案内しますと事務所へお連れしようとしましたが、拒否され続けます。

近くのショップの方に、早口で、○○売場のマネージャーに連絡してほしいと助けを求め、マネージャーが到着するまでの間、その女性を逃がさないように、精一杯話し続けていました。

間もなくマネージャーが来て、事務所へお連れしようとしたとき、その女性が立ち上がり、持っていた傘の先端を私に突きつけ、売女女め!とののしるではないですか。

寸前のところで、マネージャーが助けてくださりさされずに済みました。

もう笑い事ではないですね。大事件です。

マネージャー3名男性が玄関までお連れして、お帰りいただいたようです。

でも私をクレームとして、お客様相談室に訴えると言い残していったそうです。

今回は、私に落ち度がないということで、お客様相談室にも共有していただき、評価は悪くなる事はなかったのですが、こうゆう事も起こらないとも限りません。

私にできた事は、なんだったのかなと考えると、宿泊のお電話をかける時に、自分でやらずに、その時点でマネージャーに相談すればよかったのかもしれませんが、余裕がありませんでした(笑)

クレームがおこったらどう対処するのかのまとめ

クレームって結局こちらサイドに落ち度があるから起こると思うので、毎日、商品をきっちり管理すること、お店のスタッフ全員が商品知識を持つこと、細心の注意をはらうことを肝に銘じて、お包みする時にも、何度もチェックする事が大事ですね。

クレームがもし起こったら、二次クレームに広がらないようにすることが一番のポイントだと思います。
二次に広がると大事になってしまい、誰にとってもいい事がないので、最初の対処が誠心誠意である事が伝わることで解決するものだと実感していています。

販売するだけでなく、最後のお包みの時にまで細かな気配りを持ちたいですね。

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