日本女子やり投げで前人未到の扉を開き、世界の頂点に立った北口榛花。
北海道・旭川から世界へ――その歩みは、恵まれた体格だけでは説明できない「積み上げ」と「再現性」でできています。本稿では基本プロフィールから高校〜社会人の競技史、技術と人柄、そして東京2025世界陸上への展望までを、一次情報に基づいて深掘りします。
1. 北口榛花の基本プロフィール(出身・体格・学歴・所属)
1-1. 生年月日/出身地/身長
1998年3月16日生まれ、北海道旭川市出身。
身長は179cm。
長身に加えて肩まわりの柔軟性が高く、助走から踏み切り、リリースにかけて「しなり」を大きく作れるのが強みです。公的プロフィールも日本大学出身/JAL所属を明記。まずはここを“基礎データ”として冒頭に押さえておきましょう。 日本航空(https://www.jal.com/en/sports/athlete-employee/kitaguchi/?utm_source=chatgpt.com)
1-2. 出身校と学歴(旭川東高→日本大学スポーツ科学部)と多様な経歴
幼少期から多様な経歴がありました。本当に万能で多彩です!
北海道・旭川市に育ち、幼い頃からスイミングスクールに通い、特に自由形を得意としていた。小学生なってからは並行してバドミントンも始め、小6の時には団体で全国優勝。後に日本代表になる山口茜とも対戦したことがある。中学では特に競泳に力を入れて全国大会にも出場した。他にも体操教室や、英会話、塾、ピアノと好奇心旺盛な幼少期を過ごしている。ちなみに、バスケットボールにも挑戦したことがあるが、「母から才能がないと言われました」と笑う。今でも女子バスケットボールをプライベートで観戦するほど大ファンで、やり投を始める前の中学生の頃から今でも、試合では『ENEOSサンフラワーズ』のタオルを愛用している。月陸Online|月刊陸上競技 https://www.rikujyokyogi.co.jp/archives/112732
競泳とバドミントンの素地を持って入学した旭川東高校で陸上部にスカウトされ、やり投げに出会います。高校2年でインターハイ初優勝、3年で連覇。卒業後は日本大学スポーツ科学部で測定・分析を取り入れたトレーニングを吸収し、理論と実践の両輪で成長しました。JAAF(https://www.jaaf.or.jp/news/article/22464/?utm_source=chatgpt.com)

1-3. 所属とコーチング体制(JAL×チェコ式)
社会人はJAL(日本航空)所属。2019年以降はチェコのデイビッド・セケラック(David Sekerák)コーチの下、チェコを拠点にフォームを再構築。単なる筋力強化に走らず、可動域と地面反力の伝達効率を高める“チェコ式”の投てきづくりで競技力が一段跳ね上がりました。
北口は、やり投げとウエートトレーニングの関連性が「全く理解できなかった」という。セケラックにその必要性を説かれた北口は、持ち味であるしなやかさを保ったままパワーという新たな武器を身に付け、飛距離を伸ばすことに成功した。 Nippon.com(https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02426/)

2. 陸上競技での軌跡(高校→大学→世界)

2-1. 高校時代:インターハイ連覇と高校記録
2014年(高2)にインターハイ優勝、2015年(高3)も制して連覇。高校最後の日本ジュニア選手権では58m90の高校記録(当時)を樹立し、国内女子やり投げの新時代を予感させました。併走して世界ユース選手権 優勝も達成。基礎体力と運動神経の複合が、やり投げの“適性”にハマった初期フェーズと言えます。
2-2. 大学〜社会人:日本記録と国内制覇
日本大学では力×柔軟性×再現性の最適点を探る過程で一時的な伸び悩みも経験しますが、2019年に66.00mまでPB(日本記録)を伸ばし、2020年代の主役に名乗り。以後、日本選手権・国内主要大会を主戦場にしながら、海外転戦の経験値を増やしていきます。
2-3. 世界の舞台:世界女王→五輪王者
2023年世界選手権(ブダペスト)決勝、最終6投目に66.73mの大逆転で金メダル。日本女子フィールド種目初の世界王者が誕生しました。翌パリ五輪(2024)は初投65.80mで逃げ切り金。五輪でも日本女子初の投てき金メダルという歴史的快挙です。
参考:自己ベストは67.38m(2023年9月・ブリュッセルDL)。記録面でも世界エリートの水準にあることがわかります。 World Athletics
3. 強さの正体(技術×フィジカル×メンタル)
3-1. 技術:助走リズムと“間”の作り方
北口のフォームは、助走の“加速曲線”がなめらかで、踏み切り直前のスタンスでブレーキをかけずに体幹の捻転→肩の外旋→前腕の鞭化を連鎖させる点が特徴。腕だけで投げず、力のベクトルを後脚→骨盤→胸郭→肩→前腕へ順送りに伝えるため“押し出す感覚が少ないのに飛ぶ”投てきが成立します。
チェコ式のドリル(ウォーキング/ランジ系の連動ドリル、軽負荷での可動域確保、短い助走でのリリース角管理など)を繰り返し、崩れにくい再現性を確立しました。 Nippon.com(https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02426/)
3-2. フィジカル:筋力と柔軟性の両立
重量級の出力を追い過ぎると投擲角が寝て失速しがちですが、北口は股関節周りの可動域と肩の外旋可動性を落とさずに筋力を積み上げたことで、リリース角の最適化(約33〜36°帯)とスピンの抑制を両立。セケラックの方針「筋力は投げの質のために」を体現しています。 Nippon.com
3-3. メンタル:6投目で仕留める勝負勘
2022年オレゴン世界陸上では最終6投目で銅、2023年ブダペストは最終6投で金。最後にまとめる“勝負勘”は偶然ではなく、試技間の過ごし方(呼吸・体温・筋緊張の調整)と、崩れた時のリセット手順が明確だから。これは本人がインタビューでも繰り返し語ってきた“準備の作法”です。 月陸Online|月刊陸上競技
北口が高校記録を出した時も6投目、さらに2019年5月に初めて日本記録を樹立した時は5投目だった。いずれも後半に記録を伸ばした過去の経験が、たとえ前半の投てきで伸び悩んでも、“後半でしっかりと投げられる”という近年の自信につながっている。 Nippon.com(https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02426/)
4. 人柄とメディア評価(親しみやすさ×負けず嫌い)
試合後コメントやSNSでは、K-POPや韓ドラ好きの等身大トークも。明るいキャラクターと率直な言葉が、競技ファン以外にも刺さる理由です。一方で、練習では「自分に厳しい」負けず嫌い。コーチに食ってかかることもある“議論型”で、チェコ語でやり合うほど関係性は濃い。メディアからも「日本女子フィールド種目のパイオニア」「女子やり投げの旗手」と評される所以です。 Nippon.com

この笑顔、最高に素敵です!
もぐもぐタイムの笑顔も素敵です!
カフェインによる興奮作用も期待しながらコーヒーを飲んでいたようです。飲み物も計算されていたんですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4Cwq4saUi8s
5. 実績サマリー(主要大会と記録の推移)
- 自己ベスト:67.38m(2023年9月・ブリュッセルDL/日本記録) World Athletics
- 世界選手権:2023ブダペスト 金(66.73m/最終6投) World Athletics
- オリンピック:2024パリ 金(65.80m/初投) World Athletics
- 高校時:2014・2015インターハイ優勝/2015日本ジュニア58.90(当時高校記録)
- DLタイトル:ダイヤモンドリーグ制覇(連覇実績あり) Track & Field News
| 年 | 主な大会・出来事 | 記録 |
|---|---|---|
| 2014 | インターハイ優勝(高校2年) | 56m台 |
| 2015 | インターハイ優勝(高校3年)/日本ジュニア選手権 58m90(当時高校記録) | 58m90 |
| 2016 | 世界ユース選手権 優勝 | 60m台 |
| 2019 | 日本記録 66.00m 樹立/チェコへ渡りセケラック・コーチに師事 | 66.00m |
| 2022 | 世界陸上オレゴン 銅メダル(最終6投目) | 63.27m |
| 2023 | 世界陸上ブダペスト 金メダル(66.73m・最終6投)/ダイヤモンドリーグで自己ベスト更新 | 66.73m/67.38m(日本記録) |
| 2024 | パリ五輪 金メダル(初投 65.80m) | 65.80m |
6. 東京2025世界陸上と“次の一投”
6-1. 目標:地元開催でふたたび世界の頂点へ
2025年の世界陸上(東京)は、北口にとって“ホーム”で再び世界の真ん中に立てる特別な大会。金メダルの再奪取と、日本記録(67.38m)の上書きが現実的ターゲットです。シーズンを通じたピーキングと健康管理が鍵になります。 Nippon.com
6-2. コンディション:肘の違和感を乗り越えて
2025年シーズン序盤に肘の炎症で不振を経験したものの、現在は痛みが取れ、調整を再開。“痛みなし”の技術反復量をどれだけ確保できるかが、投擲末期の伸び(リリース速度)に直結します。本人も“地元で勝つ”決意を明言。 Reuters
6-3. 次世代への影響力
パリ五輪金のインパクトは計り知れず、女子やり投げの競技人口増に直結。高校部活の現場でも、**「北口に憧れて始めた」**という声が増えています。競技の価値を社会に接続する“ロールモデル”として、技術解説やクリニック登壇にも期待が高まります(※編集部注:競技現場の声・報道傾向からの総合的推察)。
まとめ
北口榛花は、179cもの長身と柔軟性を活かし、データに裏づけられた“効率の投てき”を武器に、世界の修羅場を勝ち切ってきました。高校連覇→世界女王→五輪王者――階段を一段ずつ上がってきたからこそ、東京2025でも「再現」できる。
怪我の治りぐらいは心配ですが、いつでも素敵な笑顔でワクワクさせてくれる北口榛花さんを応援しましょう!
次の一投が描く放物線は、日本のスタジアムの空に、また新しい歴史を刻むはずです。


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